産後セラピスト プロ実践講座を修了され、産後ケアをお仕事にされている受講生にインタビューしました!
プロフィール
- 活動のエリア:東京都23区、 神奈川県 横浜市、川崎市、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市などの湘南地域
- 産後セラピスト プロ育成講座 2023年 修了
「産後セラピスト」について、どのように知りましたか?
大学卒業後、会社員を9年で結婚退職。そのまま海外駐在し、3人の子育てをしました。バンコクやシンガポールで出産し、現地のひとの勧めで、産後ケアを受けました。出産後すぐに適切なケアを受けることで、体重も戻り、その後の生活が元気にスタートできました。
帰国して調べてみても、日本ではまだそのようなサービスや施設がなく、とても残念に思っていました。
子どもが大きくなり、今度は私がお子さんを持つ女性の役に立ちたいと思い、調べていたところ、ネットで湘南コンシェルを知りました。そこで、さらに「産後セラピスト」という産後ケアが浸透してきたことを知り、勉強してみたいと思い研修を受けました。
研修を受けて、どんな仕事だという印象を持ちましたか
「産後セラピスト」の研修では、現代の子育てをとりまく問題から、お母さんのサポート、新生児のお世話や離乳食を改めて学べたことが新鮮でした。そして一番勉強になったのは、母親とセラピストとのロールプレイで、徹底的にお互いの立場を経験したことです。言葉がけや所作のひとつひとつが、お母さんのためになっているか、を考えに考えます。大変ですが、その経験が現場の疑似体験となりました。
そして、現役世代のお母さんたちの子育てを支えることは、ひいては社会貢献する仕事なのだと実感し、お仕事を始めることにしました。
始めてみて、どのようなお仕事だと感じますか
実はコロナ禍で、それまでの在宅ワークが滞ってしまい、人材派遣会社に登録したんです。ところが10社以上エントリーしても全て不採用。退職して20年も経つと、もう社会でバリューのない人材になっているのだと思い知りました。しばらく落ち込みましたが、「何をやりたいか」ではなく「どのフィールドなら自分を生かせるのか」に発想を転換してみたんです。そこで「産後セラピスト」に興味を持ち、自分でも受け入れてもらえる世界だと知りました。
はじめて産後ケアに伺ったときは、それは緊張しました。ただ、回を重ねるごとに、やはり心が通い合ってくるんですね。そして、出産、子育て、家事、育児・・・これまでの全ての経験を総動員して、お母さんの不安やリクエストに応えていくことで、喜んで頂けるのが嬉しくて。これまでの生き方もOKなんだ! と自分が肯定された気持ちになりました。そして、今日はどんなふうにサポートできるかと、前向きに訪問できるようになってきました。
もちろん、正社員のようには収入は安定しませんが、自分の予定に合わせて受注を調整でき、子どもの予定や副業との両立もしやすいと思います。私は、添削の在宅ワークと兼業しています。
これまでに印象に残った訪問は
「子供が2人いて、献立を決められない」という方の訪問では、毎回テーマを決めて、メイン食材から献立を考えて提案しました。お料理に関心がある方だったので、私の古いレシピ本を毎週お持ちして、料理をしている間に読むのを楽しみにしていらっしゃいました。そのうち、読書が共通の趣味だとわかり、辻仁成やブレイディみかこの育児本で盛り上がりました。自分の好きなことと、お客様との接点を見つけていくことも、このお仕事の楽しみのひとつだと思います。
作った料理を、夜お子さんが食べている写真を見せて下さったのは嬉しかったですね。御礼に、これからの献立に役立てばと、作ってきた献立をリストにしてお渡ししました。
スマホ世代のママたちはかえって悩んでいると聞きます
今のお母さんたちは、何でもスマホで調べて本当に勉強熱心だと感じます。一方で、情報が多すぎて、何を選べばよいかわからなくなっている。子育てひとつひとつ、ネットに頼って疲れているんですね。でも、人から聞けばすむことも多い。もっとシンプルに、リラックスしてもらうための正確なアドバイスをしてさしあげることも、セラピストの大きな役割だと感じています。
少子化、晩婚化時代、どんなセラピストを目指したいですか
例えば赤ちゃんを見て「もう6か月、早いですね」と周りはいいます。でもその裏には、毎日毎日のお母さんの膨大な手間と時間がある。お母さんにとっては全然早くない、長い長い半年のはずです。そのことを一番わかってあげられる存在でいたいですね。
命懸けで出産するわけですから、それは女性にとって人生一大事です。価値観が揺らいだり、自分の体と心に向き合わざるをえなかったりする。そして、育児は仕事のように、結果や成果が目に見えない。その揺らぎと不安の真っ只中にいる女性が、自分らしいスタートを切れるよう、一番の伴走者としてお手伝いしたいです。
これから始めようと思う方へ
産後ケアをするにあたって、「知らない台所でいきなりお料理できるか」という不安がありました。でも、例えば10年専業主婦だったら、何千回もごはんを作ってきているわけです。
もし冷蔵庫にこれがあったら、家族に何をつくるか、を考えると、絶対何か作れるものです。赤ちゃんがいたときは大人がいつでも食べられるものを、子どもが小さいときは一緒に食べられるものを、学校から帰ってきたら小腹を満たすおやつを、のように、これまでの経験を想像することで、いつのまにか手が動くもの。家事や食事作りも、立派なキャリアです。積み上げてきた時間と作業が、必ず力になる。そして、自分の得意なことを織り交ぜることもできる。「産後セラピスト」は、「主婦でいたことが全肯定される」、そんなお仕事だと思っています。
このインタビューに答えた人はこちら
※外部リンク